JR西日本のローカル線の営業収支について

JR西日本のローカル線の収支係数などの情報が公表されました。

ローカル線に関する課題認識と情報開示について:JR西日本(2022年4月11日付ニュースリリース)

この中で、興味深いデータとして各線区の営業収支が明示されています(本資料の別紙2,別紙3)。ただし、PDFでの公開でしたので、個人的にExcelにデータを打ち直しました。そこで、このデータから簡単にわかったことを記載してみます。なお、データは新型コロナウィルスの影響が出る前の別紙2の値を採用しました。

収入について

  • 営業日数をすべての線区で365日と想定した場合の人キロあたりの収入は全線区で13.4円
  • 最小は姫新線 津山~中国勝山7.1円
  • 最大は播但線 和田山~寺前18.6円

営業費用について

  • 公表された全線区を合算しての営業費用は21.2百万円/km
  • 平均通過人員とkmあたりの営業費用をプロットした結果が下図で、(1)平均通過人員が増えると、営業費用も増える (2)乗客がどれだけ少なくとも、1kmあたり年間1000万円程度の費用がかかる、という傾向が観察される
  • (今回、公表された費用には管理費(本社・支社)の経費が含まれていません…)

(上記グラフに近似直線を載せましたが、この傾きは0.0159でした。賃率20円/kmで平均通過人員が増えた場合の収入をこのグラフに重ねた場合の傾きの0.0073よりも倍近くになっています。)